粉ミルクの調乳や保管、作り方のポイント、あとはよく質問されるミルク用の水についてもまとめてみました。
粉ミルクを作る際、気をつけないと赤ちゃんの命に関わるかもしれない注意点や、赤ちゃんが泣き始めたら秒で粉ミルクを作る方法も公開。
ここを読めば、粉ミルクについて心配なく赤ちゃんにあげることができるようになります。粉ミルクを考えている方は参考にしてください。
ミルクを作る際に使うお水
大切な赤ちゃんにあげるミルクだから、よく質問されることがあります。
- ミネラルウォーターを使うほうがいい?
- ウォーターサーバーがあるほうが便利?
- どの水が赤ちゃんに一番いい?
上記のような質問が多いのですが、基本、粉ミルクって水道水で作ることが想定されています。
基本、水道水利用で粉ミルクを調乳してOK
家では、ミネラルウォーターやウォーターサーバーを利用している方も多いと思いますので、そういう場合のポイントをみていきましょう。
ミネラルウォーターを利用する場合
硬度を確認してください。硬度が60以下のものを選ぶようにしましょう。硬度が高くなるとミネラルがたっぷり含まれ、体にいいように感じるかもしれませんが、赤ちゃんの内臓には負担となります。
次に、粉ミルクはアルカリ性のお水では調乳NGなので、アルカリ性でないことを確認しましょう。日本国内製造で市販されているミネラルウォーターは、記載がなければ中性です。
粉ミルクに使えるミネラルウォーターを掲載しておきます。これ以外にもあるので参考までに。
硬度(1Lあたり) | |
---|---|
安曇野の天然水 | 25㎎ |
日田天領水 | 32㎎ |
ファミリーマート ファミマの天然水 安曇野 | 150㎎ |
サントリー 天然水 | 30㎎ |
キリン アルカリイオンの水 | 55~59㎎ |
アサヒ 六甲のおいしい水 | 40㎎ |
日本コカ・コーラ 森の水だより | 38.3㎎ |
ビクトリー ピュアの森 | 27㎎ |
ウォーターサーバーを利用する場合
契約しているウォーターサーバー会社に硬度やアルカリ性でないかを確認してください。
粉ミルク作りに使えるとされているウォーターサーバーを参考までに掲載しておきます。ほかにも粉ミルク調乳に使用できるウォーターサーバーはあります。
下記、ウォーターサーバー会社でも契約している水が、ミルク使用OKかは必ず再確認しましょう。
- プレミアムウォーター
- エブリィフレシャス
- ウォータースタンド
- アルピナウォーター
- ワンウェイウォーター
- アクアクララ
- クリクラ
- コスモウォーター
井戸水を利用する場合
井戸水が水道水と同程度の水質かどうか、検査して合格していることを確認してから使用しましょう。
合格していても地震などの災害後や水害後は、水質の変化することがあるので、赤ちゃんに利用するのは再度水質検査を実施するまで控えるのが無難です。
水素水を利用する場合
こちらは利用しないほうが無難です。多くの水素水はアルカリ性が強いです。
粉ミルクの選び方
メーカーは、どこがいい?
基本、どのメーカーの粉ミルクを使用してもいいし、同じメーカーばかりでなく1缶なくなったら、別メーカーにしてみても構いません。
赤ちゃんによって″このミルク、飲みっぷりがいい!″など、粉ミルクの好みがあったりします。
どのミルクが好きかも分からないのに、メーカーを変えて大きな缶を購入するのには勇気がいるので、無料でもらえるミルクなどをいただいて、飲みっぷりを比べてみるのもオススメです!
無料でもらえる粉ミルクの試供品を以下の記事にまとめているので、そちらも参考にしてみてくださいね。
粉ミルク、どれがいい?無料で手に入る~各メーカーサンプルプレゼント~【助産師執筆】
粉ミルクの消費期限
粉ミルク缶は外ぶたを開けると中ぶたがあり、その中ぶたを開けた日が開封日となります。
中ぶたを開けた開封日から1ヵ月以内に使い切ってくださいというのが各メーカーの期限となっています。
ミルク缶、サイズはどうする?
大缶は、どこのメーカーも粉ミルクが約800gが入っています。ミルク量として約6L分です。
1日200ml以上を使用するなら、大缶でも1ヵ月でだいたい使いきることができます。使用量が200ml未満なら、大缶ではなく、小さめの缶で購入しましょう。
これから出産するママ
粉ミルク、どれをどれくらい買えばいいのか分からないですよね。母乳だけでいけるかもしれないし、母乳が出るようになるまで少しのミルクが必要かもしれないし、ミルクだけで育てることになるかもしれない。
これは経産婦さんも同じです。上の子のときは完ミで育てても、なぜか今回母乳だけで育てられるほど母乳が出ることもあります。
おすすめは、無料の粉ミルク試供品をもらっておくことです。試供品で試してから、飲みっぷりのいいもの、赤ちゃんの好きそうなミルクを買うのがいいのではないでしょうか。もしくは、本当に必要な時に購入する!ミルクなら産院の退院時に薬局でも買えますよね?哺乳瓶も買えます。哺乳瓶も必要なら産院でどんな乳首を購入すればいいかなどアドバイスもらって薬局で買えます。無駄なミルクを購入しないようにしましょう。
ミルクの作り方
大切なポイントは、一度沸騰させた70℃以上のお湯で粉ミルクをとかす
これは、赤ちゃんの命にも関わる大事なポイントなので必ず覚えておいてくださいね。
では、粉ミルクを調乳してみましょう。
- 必要物品(哺乳瓶、ミルク、お湯など)を準備
- 哺乳瓶に必要量のミルクの粉を入れる
- お湯を必要な目盛りまで入れて粉をとく
- ミルクを体温程度まで冷ます(そのままあげるとヤケドします!)
2と3は逆にしないでください。お湯を目盛りまで入れてから、粉を入れて溶かすと出来上がり量が変わるので、大切なミルクの濃度が変わってしまいます。
秒で作れるミルク調乳の方法
上記、調乳方法がミルク調乳の基本と言われる方法です。しかし、熱いお湯で作ったミルクを、適温まで冷ますのって結構大変なんです。特に赤ちゃんがおなかすかせて泣き出したりしたときにはイライラします。
そこで、今回は秒で作れるミルク調乳の方法を掲載しておきます。
1日の始まりに、湯冷ましといわれるものを作りましょう!湯冷ましの作り方は簡単。水を沸騰させ、冷めたものが湯冷ましです。ポイントは一度、沸騰させること!沸騰したものを綺麗な容器に入れておきます(消毒が必要な新生児の場合などは、消毒した器や余分にある哺乳瓶などを消毒して入れておきます)
では、秒で作る調乳をしてみましょう!
- 必要物品(哺乳瓶、ミルク、お湯など)を準備
- 哺乳瓶に必要量のミルクの粉を入れる
- 粉が隠れる量くらいだけ、70℃以上のお湯を入れる
- 粉がしっかりとけたのを確認
- 飲ませる分量の目盛りまで、湯冷ましを入れる!
大切なのは、粉ミルクの粉を殺菌するために70℃以上のお湯が必要なんです。なので粉を溶かしたら、あとは湯冷ましを足してOK!
なぜ、70℃以上なのか
予備知識として、なぜ70℃以上のお湯で粉ミルクを溶かす必要があるのか。70℃以下では、なぜダメなのかのお話です。
粉ミルクには、稀にサカガキ菌という菌が認められます。これは昔の話ではなく2000年代に入ってからもアメリカでも日本でも発見されています。アメリカでは死亡例も。
その菌を殺菌するために必要なのが、粉を溶かす際の温度!
つまり、サカガキ菌は70℃以上で死滅します。WHOでも、粉ミルクは70℃以上のお湯で調乳するように決められています。
というわけで、大切な調乳時のお湯の温度、赤ちゃんを守るために守っていきましょう!
ミルクのまめ知識
飲み残しは、いつまでもつ?
飲み残しを次の授乳時間にあげるのはNGです!口をつけたということは唾液が混じったり、雑菌が増えている可能性があります。飲み残しは捨てましょう。もしくは、大人が飲んでもOKです。(大人も時間が経ったものはやめてくださいね)
飲むのに時間がかかり、冷たくなったミルクの温め方
電子レンジがお手軽!と思いついてしまいますが、それは危険です!電子レンジの温まり方はムラがあったりするので、基本は湯煎(あたたかいお湯に瓶の部分をつける)し、哺乳瓶を動かしながら、ゆっくりと温めましょう。
粉ミルクの保管
開封後も、粉ミルクのミルク缶は常温で保存します。粉ミルクは暑いのも、冷たいのも苦手です。なので、直射日光のあたるところや、冷蔵庫では保管しないようにしましょう。