沐浴(もくよく)とは?~赤ちゃんのお風呂って、いつ、どんなタイミングで何度のお湯にどこで入れるの?など沐浴のポイントのすべて【助産師執筆】

赤ちゃんが生まれたら必要なベビーバスでの沐浴(もくよく)。何時に入れるの?いつまで?コツは?疑問がいっぱいですよね。初めての赤ちゃんなら特にわからないことだらけ。赤ちゃんの沐浴ってどんなものか見ていきましょう。

目次

沐浴って何?

読み方からして分からない方も多いですが、『沐浴=もくよく』と読みます。

『沐浴』とは、ベビーバスなどにお湯をためて赤ちゃんを入れ、体をきれいにしてあげることです。つまり、大人でいうお風呂です。

生まれたばかりの赤ちゃんは、大人と同じお風呂には入れません。

新生児(生まれて1か月まで)の時期は、特に抵抗力も低く、おへそがまだついていたり(へその緒)、へその緒がとれた後もおへそが乾ききっていないことがあり、そのおへそのところから雑菌が入り、感染を起こしてしまうことがあります。その感染を防ぐためにも1か月検診までは、赤ちゃん専用のお風呂=ベビーバスで入れてあげる必要があります

沐浴は、いつまで?

少し抵抗力のつく生後1か月頃までは、赤ちゃん専用のベビーバスで沐浴を。1か月を過ぎたあたりからは、お風呂に入っても構いません。

生後1か月、どこの病産院で出産しても1か月健診というものがあります。心配であれば、健診で「大人と同じお風呂に入ってもいい?」と質問してみるのが無難です。その1か月健診でOKがでたら、大人と同じお風呂に入っても大丈夫。沐浴卒業です!

1か月過ぎても、ワンオペ(一人で育児をこなす)のことが多く、一緒にお風呂に入るほうが大変!という場合や、沐浴のほうが入れやすい場合は、沐浴を続けても問題ありません。

効果や目的は?

まだ首のすわらないフニャフニャした赤ちゃんを沐浴するのは、初めての赤ちゃんのときは特に気合いのいる大仕事ですが、たくさん効果や目的があります。

  • 汗や汚れをおとして清潔を保つ
  • 「かゆい」「いたい」など言えない赤ちゃんの皮膚が赤くなっていないか、かぶれたりしていないか等の全身観察
  • 血流がよくなり、よく寝てくれるようにもなる
  • 赤ちゃんとのスキンシップになる

毎日いれるの?

基本、毎日1回は沐浴を行い、きれいにしてあげましょう。

赤ちゃんはきれいに見えても汗や皮脂を分泌していて、新陳代謝も活発です。おっぱいがホッペや口の周りについたり、ミルクを吐き戻したり、オムツにおしっこやうんちをしたり、その都度きれいにしてあげても毎日沐浴はしてあげたいです。

沐浴ができない日は、お湯に浸した温かいタオルやガーゼで身体をきれいに拭いて、着替えさせてあげましょう。

いつのタイミングがいいの?何時?

授乳の前後30分~1時間程度は避けましょう~空腹時はぐずりやすく、満腹時は吐き戻ししやすいので避けるのが無難です。特に、授乳直後は避けましょう。

特に何時という時間を決める必要はありませんが、なるべく毎日おなじくらいの時間帯に入れてあげるのが生活リズムをつけていくうえでも理想的です。毎日午前中なら午前中、夕方なら夕方というイメージです。

機嫌のいいときに入れましょう。ギャン泣きして暴れると、入れにくく焦ります。

夏は涼しい朝方や夕方、冬は暖かく温度の安定する日中がよいといわれます。冬は、隙間風の少ない場所で沐浴してあげましょう。

空腹すぎず、満腹でもなく、毎日同じくらいの時間帯で、機嫌のいいときに沐浴しましょう

場所はどこで?

室温や湯温を保てる場所で考えてあげてください。冬、お風呂場で沐浴して、沐浴の終わった赤ちゃんをリビングまで運んで~としていると湯冷めしてしまいます。その場合は、脱衣場もあたためて脱衣場で赤ちゃんを拭き、服まで着せてあげると冷めにくいですね。

赤ちゃんの沐浴はお風呂場に限定しなくても構いません。リビングでもOK。リビングといっても、ベビーバスを床に置いてするのか、テーブルの上に置いてするのか。

キッチンのシンクなどにベビーバスをはめ込んで沐浴できるものもあります。沐浴する人が楽な体勢でできるように、そしてお湯を捨てたりという片付けのことも考えて沐浴する場所を決めましょう。

お湯の温度は?

夏は37~39度、冬は38~40度くらいが適温です。給湯器で温度設定ができますが、準備のときに丁度よくても赤ちゃんが入る段階でかなり温度が冷めてしまっているなんていうこともありますので、湯温計も準備しましょう。

適切な時間

長湯は禁物です。入ってからあがるまで5分程度を目安にしましょう。

赤ちゃんはお風呂に長く浸かると、肌表面の皮脂が失われ乾燥などのトラブルを招くことがあります。体力消耗にもつながります。

5分ですべての行程を手際よく行うためにも、入る前には赤ちゃんの入浴に必要なものをすべてベビーバスの周りに揃えておきましょう。

ベビーバスにも色んなタイプがあり、沐浴に慣れないママ・パパをサポートしてくれる安心機能の付いたものや、腰に負担のかかりにくい高さで使えるものなどがあります。

みんながどんなベビーバスを選んでいて、ご自身ではどのようなものが使いやすそうかを見比べて選ぶようにしましょう。

沐浴に必要なもの

ベビーバス:床置きタイプやシンクにはめ込むタイプ、バケツ型、折りたためるタイプなど様々なタイプが販売されています。

新生児の1か月しか使用しないと考えると購入を迷いますね。沐浴を卒業してからも使用方法を考えられたベビーバスなども販売されているので、使わなくなった後のことまでイメージしてベビーバスを1つ準備してあげましょう。

ベビーソープ:赤ちゃんの肌はデリケートです。大人と同じものではなく、赤ちゃん用のものを1つ準備してあげましょう。泡タイプでも固形でもOKです。

洗面器:目元をきれいにする際、ガーゼをきれいなお湯に浸したいのできれいな洗面器が必要です。すすぎの際や、上がり湯に際にも使用します。

沐浴布:赤ちゃんの体を覆ってあげると、赤ちゃんは安心するのでそのためのガーゼなどでできた柔らかい素材の沐浴布を準備してあげましょう。お湯から出ている身体を保温してくれる役目もあります。

ガーゼハンカチ:赤ちゃんの目元やお顔をふき取ったり、ボディタオルのように使用し体を洗えます。

バスタオル:沐浴から上がった赤ちゃんが冷めないよう包み込んでお湯をふき取ってあげましょう。

服とオムツ:バスタオルの横にシャツと服も1度に着れるよう袖をとおし、オムツも服に重ねておきましょう。

ベビーローション:沐浴後は乾燥しやすいので、肌トラブルを避けるためにもしっかり保湿してあげましょう。

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この記事を書いた人

赤ちゃん大好き助産師の“なつ”です。助産師として1万人以上のママや赤ちゃんに関わり、1,000人以上のお産に携わりました。

私自身は子育て終盤、子どもは現役東大生の男子が一人。手がかからなくなり子育てから手がはなれてきた分、今、子育てを頑張ってるママ・パパの役に立ちたいと考え、このサイトを立ち上げました。一人で悩まず、楽しみながら育児をするお手伝いをしたいです。

このサイトでは、妊娠から育児まで、ママ・パパの困ったを手助けできるよう、育児本もいらないくらいご紹介していきたいと考えています。妊娠・出産・育児がより一層楽しく幸せなものの手助けになれば幸いです。

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